バイトを早びけして神保町の東京古書会館の8階へ急ぎました。
会場へ行くと、リコシェエドガーサンポが先に来てたので
隣に座る。その後東京セドリーヌのakiさんや旅猫雑貨店さんも来る。
今日は、エッセイストの石田千さん、ライターの荻原魚雷さん、書肆アクセス店長の畠中理恵子さんの
トークライブ。「古本・夜の学校 Vol.1 神保町のこととか…」
出張出店で古本酒場コクテイルさんが来ていた。
今回の企画もされているそうです。ビールをぐびぐび飲んでいるとトークが始まる。
主催の石神井書林さんが、魚雷さんに「大きい声でしゃべって。」と言ったけど
始まると魚雷さんの声が小さくて、首をかしげながら音量を上げにいっていた。


まずは、お三方の神保町との出会いから。
魚雷さんのエピソードが面白い。
大学入学で上京して新宿ゴールデン街で飲んでたら近くにいた人に
「暇なら仕事をしに来て」と言われ行ったのが神保町にある大手出版社の
グラビア雑誌編集部。何のページを書いてたんですか?との質問に
「占いとか…」詩歌や文学の人だと思っていたので吃驚。
「当たるって評判だったんです。どちらにでもとれるように書くのがうまくて。」
占いって文章修行なんですね。
石田さんも畠中さんは、仕事場としてのつきあいからだそう。


そして古本屋さんについて。
石田さんは、頼まれた本を古本屋で探すのが仕事ととして多くて
色々な古本屋さんに行ったそうです。最初はどこに行っていいかわからなくて
まず一番大きなお店に行って尋ねると、
「うちにはあるけど高いから○○にあればそっちの方が安い。」
それで、そのお店に行くと「うちには今ないけど○○にはあるかもしれない。」
と、古本屋の方がすごく親切だったことが印象的だったそうです。
魚雷さんは、学生の時から今もずっと神保町にいるので仕事をしながら
古本屋をぐるぐる廻っているそうです。
「携帯持ってないですけど、ぐるぐる廻って夕方アクセスの近くに行けば
誰かいて、そのまま飲みに行けちゃうんです。」
畠中さんは、「なんだか古本屋さんて緊張しちゃって。変な本を買えないというか。」


「この本は、私しか必要じゃない本だと思えば買う」という
石田千さんの古本を選ぶ基準が素敵でした。
畠中さんは、晩鮭亭さんのブログにもあるように
「古本て古い本なんだなぁって」という言葉が印象的。


その後、今年おもしろかった本ということで
お三方が選んだ本が紹介された。


石田千さんは、
『HOME OF BEEF』米国食肉輸出連合会?(編)
 →石田さんのいた出版社が出した「アメリカのお肉はすばらしい」の本。
  すごい取り合わせの牛肉料理の写真がいっぱい。非売品。
  この本を作っていた時の苦労話が面白かった。

『鎌倉日記』三木卓(著)かまくら春秋社(発行)
 →1994年9月〜2000年12月までの日記。
  鎌倉の雪ノ下の仕事場周辺での日常を綴ったもの。
  厚底がはやった次の年の夏にミュールがはやりパカパカうるさいのが
  気になる話しと、その次の年に皆履くのが上手になってパカパカいわなく
  なったというエピソードが面白い。


『雲のうえ 1』北九州市役所 企画政策室 にぎわいづくり企画課(発行)

 →2006年10月創刊。特集:角打ちの酒場
  北九州市の情報フリーペーパー。
  編集長は大谷道子さん。アートディレクターは有山達也さんで
  お二人とも、クウネルを制作。イラストレーターは牧野伊三夫さんと
  ありそでなかった素敵なトライアングル。


畠中さんは、
『光子さんのごっつぉ彩時記』青塚光子(料理)スプーン編集部(企画・編集)

 →山形県酒田市の普段と行事料理のレシピ本。
  食べ物の彩りがとても自然できれい。
嵐電うらたじゅん(著)北冬書房(発行)

 →大川橋蔵を追っかけていたお母さんをモデルにした短編漫画作品集。

『読む人』林哲夫(著)みずのわ出版(発行)

 →画家の林さんが街のさまざまな場所で人の読み姿をスケッチした作品集。
  スムース文庫版『読む人』に新作を加え再構成したもの。


魚雷さんは、
『自己改善週間』アンディ・ルーニー(著)北沢和彦(訳)晶文社

 →著名なアメリカのコラムニストのエッセイ。

『低人雜記』西山勇太郎(著)無風帯社(発行)昭和14年

 →鉄工所で働きながら自費出版社をやっていた人の日記。
  辻潤のお弟子筋の方だとか。

あと、もう一冊タイトルを失念。
金子光晴の弟の大鹿卓が書いた本。


畠中さんは、一人三冊というのに
大きいバッグからたくさん出して
久住 昌之+谷口 ジロー『散歩もの』 (コミック)
伊藤存の刺繍本『NEW TOWN』(リトルモア
鈴木 義昭『夢を吐く絵師・竹中英太郎』(弦書房
なども紹介。ラインナップがすごい。


それぞれの思い入れのある本についてのエピソードがおもしろかった。
魚雷さんは、特に熱かった。目がきらきらしてました。


そうして、楽しい濃厚な時間が終わり
打ち上げに参加させていただきました。
ゲストの周りの本に携っている方々が20名。
すごいのは、コクテイルの狩野さんはほとんどの
人を知っていて全員に一人ずつを(私も!)
紹介していました。退屈男さんとも初めてゆっくり
話せて楽しかった。噂の塩山芳明さんの毒吠えも間近で見れました。
本をつなぐ輪ってすごいです。やっぱり。