午後3時に神保町の〈東京堂書店〉。ライター・編集者の
南陀楼綾繁(ナンダロウアヤシゲ)さんと
早稲田の古本屋さん古書現世向井透史さん
お二人の著作の刊行記念のトーク&サイン会
「路上派古本宣言!〜古本屋のある街で」へ。


前半はナンダロウさんのブログ「ナンダロウアヤシゲな日々」
を単行本化した『路上派遊書日記』(右文書院)のお話しから。
東京の街を、独自のアンテナで歩く姿に圧倒される日記本ですが、
向井さんはナンダロウさんのバイタリティの原点を
ナンダロウさんの実家の引越しで置いてある蔵書を処分する為に、
同行して出雲の実家を訪れた時にわかったそうです。
「ちょっと大きい本屋さんだと1時間。もうちょっと大きい所に
なるとと7時間くらいかかる。」
という町に育ったナンダロウさんと、
東京の早稲田という街に育った自分とのちがい。
「好きなものや気になることに対しての、
ハングリーさなんかがもう全然ちがいますね。
それが今もずっと続いているんでしょうね。」
そう語った向井さん。きっと処分する本たちを眺めながらも
感じたのではないかと思いました。
ドラムを叩き鳴らしても近所迷惑にならず、逆に隣の家の人から
「飼ってる牛が喜ぶから、どんどん叩いちゃって。」
と言われる位のどかな街で、本をはじめ色々な物やカルチャーに対して
探究心を育てあげたのがすごいと思いました。


後半は、向井さんの早稲田の古本店主達の聞き書きと、
古本屋街を通した街の歴史をまとめた
『早稲田古本屋街』(未來社)について。
今年で21回目を迎えた早稲田青空古本祭。その目録である
「古本共和国」を約10年前から作っている向井さん。
ある号で書いた早稲田の古本街のことが思うように書けなかったそうです。
「ずっと気になっていて…。ちゃんと書いておきたかったんです。」
いつも、楽しくおしゃべりしている向井さんの真剣な顔が印象的でした。

最後にナンダロウさんが、
「向井君のお父さん(古書現世店主)が書いた文章を見つけたんだけど
すごい向井君の書く文章に似ている。」
と昔の「彷書月刊」のバックナンバーを
取り出しました。あーやっぱり親子さんだなあと思っていると
向井さんがぼそっと、
「えっと…実はそれ僕が書いたんです。」
ナンダロウさんはもちろん会場全体が驚きの渦に!
お父様に代筆(?)を頼まれたらしいのですが、
「時効ですから大丈夫です。でもまさかそれがこんな所でばれるとは…。」
偶然とはいえ、それを見つけ出すナンダロウさんが凄すぎます。


その後、未来社の天野さんが声を掛けてくださり
打ち上げに参加させていただき二次会のカラオケまで
行っちゃいました。向井さん古本流に替え歌ばっかり
歌ったり、ナンダロウさんが踊り付きで
「ラムのラブソング」を披露して
くれたりとお腹がよじれるほど笑いました。
ものすごく濃くて楽しい一日でした。


路上派遊書日記

路上派遊書日記

 
早稲田古本屋街

早稲田古本屋街