小動物くらい

終日リコシェ。そんな日が三日も続くとなんだか嫌になってしまう。
なにか、すっきりとしないので夜も遅くになってから髪を切りにいく。
髪型の参考にと重くてでかいVOGUEの最新号を持っていったら
美容院にもあって、がっくし。ちょっと考えればわかるのに。

思いっきり短くして、動きを出す感じで行きましょうと話がまとまる。
放置されていた長めのオカッパが切られてゆく。
私は、もう30年もつき合っているので慣れているけど
たいして長くもない髪の毛のなのに、量が多すぎて
切っても切ってもオカッパから脱出できないので
美容師さんは、ハサミが重そう。
いつもは、寡黙な方なのに
「切っても、切っても動かない…。動きが…出ない。」
と、呪文のように唱えていた。
「そんなことないっすよ。なんか軽い感じになってきましたよ!」
と、ブルータスを読みがなら励ましつつも、、
「こんな疲労感を与えてカット代だけでスンマセン!」
と思っていました。
がんはり屋の美容師さんのおかげで、久しぶりにスッキリとした
ベリーショートに仕上げてもらう。
美容院の床には、3時間でできあがった
小動物くらいの毛のかたまりがいくつか、席を取り囲んでいた。